5月20日(土)、2017年度兵庫県外教定期総会を、海外移住と文化の交流センターにて開催しました。
総会に先立っての顧問・サポーター会議では、貴重なご意見をいただきました。
午後からの総会では、2017年度の組織構成案・活動方針案を提案しました。また8月に行われる第38回全国在日外国人教育研究集会・兵庫大会が第23回兵庫県在日外国人教育研究集会を兼ねて開催することについて、補足説明をしました。また予算案を提案し、慎重な審議の後、了承されました。
引き続いての記念講演では、大阪大学JFCボランティアチームアドバイザーであり神戸甲北高校臨時講師の加藤恵美子さんに、「日本語支援と母語支援」と題して、新渡日の外国人児童・生徒に対する日本語指導と母語保障のこと、昨年度からスタートした外国人生徒特別枠入試の現状や課題等についてお話しいただきました。総会や懇親会で、日本語・学習支援の団体や言語を研究されている参加者との情報交換や交流もありました。
玉田会長あいさつ | 連帯のごあいさつ |
議長(東播地区運営委員の東さん) | 事務局より事業報告 |
加藤恵美子さん | 記念講演のようす |
7月16日(日)、六甲道勤労市民センターにおいて第53回兵庫県在日外国人高校生交流会が開催されました。参加者は高校生14人、小学生2人、幼児1人、大人12人が集まりました。多国籍料理は 韓国冷麺と中華風フルーツポンチ。食材を探して買い物をするのも多文化の勉強です。
今回のゲストは、全国生徒交流会の卒業生である黒島トーマス友基さん。現在とよなか国際交流協会で外国人の若者支援を担当していますが、そこに至る自分のルーツを探してきた歴史を、時にはユーモアを交えて語ってくださいました。「一生の友だちが全国交流会でできた」そんな出会いを作ってほしい、深く悩んで手を伸ばして届いたものは尊重されなければならないと参加者にエールを送ってくれました。参加者は、国籍や文化に固執しないトーマスさんの豊かでかっこいい生き方に共感し、8月の全国生徒交流会に向けて、自分たちの意見を活発に話し合うことができました。
8月7日(月)〜9日(水)の3日間、第38回全国在日外国人教育研究集会兵庫大会 兼 第23回兵庫県在日外国人教育研究集会上記集会が、主に甲南大学を会場に行われ、400名の参加者がありました。
7日に予定されていた、神戸港と長田区の2カ所でのフィールドワークは、台風のために中止とし、急遽、新長田駅前のカフェ「ナドゥリ」でお二人の講師から、フィールドワークの内容を中心とした講演をして頂きました。また、7日、8日の2日間にわたって、全国在日外国人生徒交流会が明石市立少年自然の家で行われました。台風で警報という悪天候にも関わらず、全国から集まった中学生・高校生32名(兵庫県からの参加生徒は13名)が、「Let our own personality shine 〜世界を変えよう〜」というテーマのもと、自分たちの想いを出し合い、夜通し熱く語り合いました。
8日に甲南大学で行われた全体会では、主催者あいさつと基調報告の後、地元報告が行われました。中華同文学校の獅子舞と、加古川を中心に活動しているテルテッカジと加古川っ子チャンゴの合同チームでのチャンゴ演奏は、どちらも若い力が漲り、心を揺さぶられました。
続いて、各地の活動紹介。神戸朝鮮高級学校の生徒代表が「私たちも、未来ある一高校生であるということ。部活も勉強も頑張っている、普通の高校生だということ。(中略)ただ違うのは、異国に住んでいるということ・・・。」と自分たちの思いを語り、高校授業料無償化支援のアピールをしました。関西ブラジル人コミュニティCBK理事長の松原マリナさんは、日系ブラジル人の現状と活動内容を報告しました。
最後は、「外国人の声を伝える」と題して5名の在日外国人教員(韓国3名、ペルー1名、中国1名)によるパネルディスカッションが行われました。兵庫県では外国籍の教員は「期限を付さない常勤講師」という職名で採用されていて、校長・教頭はもちろん、主幹教諭や主任にもなれないという説明がありました。外国籍者であれ、教員となればすべて日本の法律の下で職務を行うのであり、「公の意思形成」に参画するとしても日本の法律に違反することができないのは日本国籍者とまったく同じです。外国籍というだけで、様々な選択肢が狭められ、将来の夢が奪われることは明らかに差別です。「国籍」とはいったい何だろうと、改めて考えさせられました。
9日に同会場で行われた分科会でも、各地の多国籍児童生徒へのとりくみや学力、進路保障など目の前の児童生徒と向き合い、真剣にとりくまれた実践報告がたくさんありました。それらの報告を通して、参加者同士、積極的な意見交換が行われ、意義深い分科会になりました。次年度の大会は京都府で開催されます。
全体会会場(会長挨拶) | 中国獅子舞 |
チャンゴ演奏 | 在日外国人生徒交流会アピール |
神戸朝鮮高級学校アピール | パネルディスカッション |
分科会の一コマ |
2017年12月9日(土)、神戸市の「海外移住と文化の交流センター」を会場に、全関西在日外国人教育ネットワーク(関西ネット)主催の「2017年度 第22回ちがうことこそすばらしい! 子ども作文コンクール」の入賞作品発表会が開催されました。応募のあった61作品のなかから21作品が選ばれました。当日は各府県より17名の入賞者が集まり、表彰式・発表会が行われました。様々な境遇にある、外国にルーツをもつ子どもたちですが、皆にほぼ共通するのは、多様なルーツや背景を持つがゆえに、日本の社会での生活で、感じている生きにくさだと思います。日本と外国との懸け橋になりたい、と書き綴る子どもたち…。多様なルーツをもつ子どもたちは、日本の社会が国際社会に広くつながり、お互いの違いを認め合い、真の多文化共生社会になるための大切な宝物だと思います。彼らが生き生きと活躍できる日本の社会になってくれることを願ってやみません。
会場のようす | 表彰のようす |
入賞者記念撮影 | 兵庫の入賞者 |